子供も成人したし、もう離婚してもいいだろう。
ちょっと待ってください。
熟年離婚の場合、お金の面や生活の面で不安がたくさんあります。
離婚を切り出す前に、別居というメリットの多い手があることをお教えしましょう。
別居する際の生活費の請求権
離婚ではなく別居という形の場合、まだ婚姻関係は継続しているので、パートナーから生活費を請求することができます。
熟年離婚の場合、ただ離婚しても引っ越し料金やその後の生活費は自分でどうにかしなくてはなりません。
しかし、別居であれば、収入の多いほうが生活費を支払うことが義務付けられています。
また、別居なので婚姻関係は継続しています。
もちろん財産の相続権もあるので、別居中にもしも相手に何かあった場合は、夫または妻として財産を相続することができます。
ですが、別居中でも正式な離婚前の異性との肉体関係は禁止です。
証拠を握られた場合は、離婚時に慰謝料を請求されても仕方ありません。
別居のメリット
例えば離婚した際にもらえるお金はどのくらいでしょう。
子供がいれば、確実に養育費は支払ってもらえますが、熟年離婚の場合は子供が成人していることがほとんどだと思いますので、養育費はもらえないでしょう。
年金をもらっている人は、相手の年金の50%をもらうことができます。
その他、不貞をはたらいた場合は慰謝料ももらうことができます。
熟年離婚の場合、継続してずっともらえるのは年金の50%のみということです。
となると、生活費は自分で稼ぐ他ありません。
別居の場合は、慰謝料も年金も請求することはできませんが、最低限の生活費や娯楽費は収入が多いほうが支払うと決められています。
なので、自分で生活費を捻出する必要はありません。
熟年離婚の場合、再就職することも難しいので、やはり生活費を稼ぐこと自体無謀といえます。
引っ越しをするのは離婚でも別居でも同じです。
紙を一枚出すか出さないかで、関係性や権利が大きく違うことを覚えてください。
まとめ
婚姻関係が長い熟年離婚は、別れてもいろいろなことで相手と関係性をもつことになりかねません。
例えば、離婚した後でパートナーが倒れ、身寄りがいなかった場合、あなたはパートナーを離婚したから関係ないと切り離すことができますか?
自分が倒れて入院してしまったとき、だれを呼びますか?
自分になにかあった場合、保証人が必要です。
別居に留めておくべきか、熟年離婚するべきか、それぞれのメリット、デメリットを考えたうえで決断しましょう。