熟年離婚という言葉は世間一般に認知されています。
離婚率が増加傾向にある日本において、世代別の離婚数をみてみると、30~40代が一番多く、続いて20~30代に多いというデータがでていますが、その中で婚姻20年以上がすぎる熟年離婚がじわじわと増えています。
熟年離婚が増えている理由は?
亭主関白という言葉と並んで、ひと昔前は、男性は外で働いて稼ぎ、女性は家事が育児をし専業主婦として家を守る世帯がほとんどでしたが、女性の社会への進出が進み、女性も生活費を自分自身で稼ぐことができるようになり自立したことが熟年離婚が増えた一因といえます。
また、年金分割制度が始まったことで離婚後も年金が入ってくるということから離婚を決意する人も増えました。
では、実際、20年以上も一緒に連れ添ってきた夫婦の間で離婚をする原因はどのようなものでしょうか?
長い結婚生活で徐々に不満が蓄積されていき、埋められない溝となってしまっている場合、子供が独立してから、今後の人生を考え、自分の為にいきていくためにも熟年離婚を考える場合があります。
また、暴力やモラハラ、度重なる不倫などにも、子供がいるからと我慢をしていたけれど、子供が自立し、熟年離婚を子供が後押しして決めるという場合もあります。
どんな時に熟年離婚は避けるべき?
熟年離婚をした人の中には、実際に離婚をしたことを後悔する人もいます。
熟年夫婦が離婚をし、一人で生活するにはそれほどお金もかからないと考えている人もいますが、年齢的にも冠婚葬祭も多く、急な出費などもかかります。
子供が結婚し、孫ができればお祝い金なども必要になります。
思いがけない出費が増え、生活費を圧迫することで、経済的に苦しくなる場合があります。
手元に預貯金が少なく、年金頼りになるような場合には、熟年離婚を避けたほうがいいといえるでしょう。
また、年齢を重ねると同時に体調を崩す場合もあります。
やはり、一人になると話を聞いてくれる人や、病院に付き添ってくれる人もおらず、その時にやはり一人は寂しいと実感します。
熟年離婚を考える前に、一度、今後の人生をシュミレーションしてみましょう。
実際に病気になった時には、誰が見てくれるのか?ということや、経済的な面も考えてみましょう。
その結果、熟年離婚をするメリットよりも、結婚生活を継続させた方がメリットが大きいという場合もあります。
熟年離婚後も幸せな生活のために
熟年離婚後も幸せな生活をおうるためには、まずは自分が今後おかれる立場をきちんと把握しておくことです。
万が一財産分与でも一定の額をもらえない場合は、それまでにこっそりとためておく必要があるでしょう。